928GTS (1992)


1977年にデビューした 928は、水冷V型8気筒 4500ccの心臓をフロントに搭載する斬新な車でした。ポルシェの次世代を担う主力モデルと位置付けられていた 928の出力は 240馬力、最高速度は 240km/hと、当時のトップ・モデルである 930ターボに次ぐ性能を誇りました。1978年にはヨーロッパでカーオブザイヤーに選ばれており、スポーツカーの受賞は現在に至るまで 928だけです。

1992年、GTSの名が与えられた 928の排気量は 5.4リッター、出力は 340馬力にアップされ、最高速度は 294km/hに達しました。 ホイールはサイドミラーと伴にカップ・カー・デザインのものが採用され、タイヤも標準で 17インチとなりました。また、リヤのトレッドが 70mm拡げられたことにより、後輪をボディに納めるため美しい曲面のブリスター・フェンダーが GTSには与えられています。さらに日本仕様では車検対応用のオーバーフェンダー等が前後に追加装備され、タイヤとホイールがボディからはみ出さないよう独自の対策が採られました。


この作品はフジミ (Fujimi) 1/24のキットを改造したものです。リヤフェンダーを拡幅し、ステアリング機能を追加、他のキットから流用したハンドルやホイールなどに手を加えて組み込み、自作パーツも使用して GTSに仕上げてみました。フジミのキットは簡単な作りで工作も簡単ですが、全般に筋彫りが浅いので、しっかりと彫刻して仕上げる必要があります。1977年に 911の後継モデルとして誕生した 928ですが、スポーツカーというよりは GTカーとして完成しており、911ファンにとっての後継車にはなりませんでしたが、一方で 911との棲み分けがきちんとできたため、固有のファンに支えられ、結果的に 1995年まで 18年間にわたり愛され、単体のモデルとしてはポルシェの中で最も長期間にわたり製造販売されたモデルとなりました。